【制作工程について】

「アクセサリーってどうやって作ってるの?」

って疑問に思っている人が意外と多いので、
さくっとお答えしますと...

アクセサリーには、大まかに分けて
2つの制作方法があります。


「彫金」

地金を加工して制作する方法です。
主にジュエリー(宝石がメイン)に
使用されます。


「ロストワックス」

ワックスと呼ばれるロウソクの様な素材を
ヤスリやスパチュラ等で彫って
ワックス原型を制作する方法です。
シルバーアクセサリーの場合、
こちらが一般的です。

【ロストワックス製法の工程】

このページでは、God Ranのスカルリングの1つ、
「LOS R-II(ロスアールツー)」の制作工程を
一例として紹介してます。


ロストワックスの制作工程は、

「デザイン工程」
「ワックス工程」
「仕上げ工程」


の3つに分かれています。


「LOS R-II(ロスアールツー)」の場合、
「裏彫り」が施されているので
この基本工程に「接合工程」が加わり、
全部で4工程になります。

 

「デザイン工程」
「ワックス工程」
「接合工程」
「仕上げ工程」


それでは、各工程を紹介します。

STEP1【デザイン工程】

基本的にはラフ画を起こしてからの
制作になります。

次に大まかなサイズを決め、
デザインを練っていきます。

イメージがまとまったら
デザイン用紙(写真参照)に描きます。
(ここで最終サイズを決める)

描き終わったらバランスを確認し、
OKならワックス工程に移動します。

STEP2【ワックス工程 表1】

まず、ワックスをデザイン工程で
決めたサイズでチューブワックス
(写真参照)から切り出します。

糸鋸を使用します。

粗めの「やすり」で大体の形を整え、
「目」、「鼻」の位置を決めたら
適当に彫ります。

この段階ではまだ「スパチュラ」
(歯医者さんのやつです)と
「やすり」しか使用してません。

 

この時点でざっくり全体の
輪郭やバランスも見ておきます。

ある程度彫った「目」と「鼻」を
水性ペンで塗り潰し、
バランスを確認します。

必要な場合、ワックスを盛って
修正も行います。

(スパチュラでワックスを溶かし、
盛りつけるのに「はんだこて」使用)

さらに「眉骨」や「頬骨」の部分も
彫り進めていきます。

表のデザインがある程度彫れた時点で、
内側に入れるパーツを彫ります。

STEP3【ワックス工程 パーツ】

小さなワックスを切り出します。
(LOS R-II に使用しているのは
右のスカルです。)

細いやすりで慎重に輪郭を彫り、
次に「目」と「鼻」をバランスを
見ながら彫ります。
(一部スパチュラ使用)

最後に「歯」を彫ります。
(スパチュラ使用)

STEP4【ワックス工程 裏】

ワックスを一刀両断します。
(リングの腹の部分を切り離します。

次にスパチュラでデザインを
薄らケガキ(痕を付けること)ます。

前工程で彫ったパーツの配置を
デザイン画を見ながら確認しつつ
何回もケガキ線をなぞっていきます。

これを繰り返し行います。

パーツの配置は装着時に干渉しないよう、
何度も確認作業を行います。

実際に2つを合わせてみて
バランスを確認します。
OKなら接合工程に進みます。

STEP5【接合工程】

切断したリング部分と本体を
「はんだこて」を使用し、接合します。

接合面を「やすり」とスパチュラで
均します。 

STEP6【ワックス工程 表2】

接合後、本体をさらに彫り進めます。
基本的には「スパチュラ」と
目の細かい「やすり」を用いて彫ります。

持続時に損傷した「頬骨」を修正し、
その後細かい部分を調整します。

最後に「歯」と「上顎」に
あたる部分を彫ります。
(正確には修正。)

STEP7【仕上げ工程】

ワックスを彫り終わってから
2,3日時間を置いて
もう一度作品全体のバランスを確認します。

写真を撮ることによって見えてくる
変更点などもあります。

銀に置き換えた際のいぶし具合を
確認するのに水性ペンで
ワックス全体を真っ黒に塗り潰します。
余分な部分をふき取り、
いぶしの雰囲気を見ます。

OKなら目の細かい「紙やすり」で
表面を整えます。

リングの内側(裏)もしっかりと
やすり掛けしておきます。

これでワックス原型は完成です!

この原型を「液ゴム」で型取りし、
複製したものを微調整後、鋳造します。